DNSレコード設定とは?

DNSレコード設定

ドメインを使うためのネームサーバー(DNSサーバー)で説明したように、ドメインとサーバーを結びつけるだけでなく、ホームページとメールで別々のサーバーに振り分けたり、サブドメインの設定をするのがDNSレコード設定となります。

ホームページはジンドゥーで、メールはロリポップ!でというような複数のサービスを併用する方法も理解できると思いますので、ぜひDNSレコード設定をマスターしてみてください!

目次

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DNSレコード設定の種類

基本的なDNSレコード設定の説明(名前解決)については、DNSレコード設定とは?をご覧ください。

また、DNSレコード設定の種類の説明の前にホスト(サーバーの名前)を理解する必要があります。

みなさんがよく目にするホームページのURLやメールアドレスの@以降の部分をホストといいます。

形はドメインやサブドメインと同じであっても、DNSレコード設定においてはホストと呼びますので、間違えないようご注意ください。

 

Aレコード等、DNSレコード設定の種類について説明します。
TYPE 概要
Aレコード ホストとIPアドレス(IPv4)を結びつけます。
AAAAレコード ホストとIPアドレス(IPv6)を結びつけます。
MXレコード メールを使うために設定します。

唯一「優先値」も設定することになります。

CNAMEレコード ホストと他のホストを結びつけます。

転送と考えると分かりやすいです。

NSレコード ホストがどこのネームサーバー名を使うか設定します。
TXTレコード/SPFレコード 送信ドメイン認証(※)などの設定を行います。

※確実にメールを受信してもらう設定

SRVレコード 負荷分散サービス等の設定ができます。
DSレコード DNSSEC(※)を利用するために設定します。

ネームサーバー(DNSサーバー)のセキュリティを高める設定

CAAレコード SSLサーバー証明書のセキュリティを高める設定ができます。

 

それでは良く使う代表的なレコードについて見ていきます。

□Aレコード

ホストとサーバー(IPv4のIPアドレス)を結びつける最も重要なレコードです。

・ホスト:google.comの場合(URL:http://google.com/)

ホスト タイプ TTL VALUE
google.com A 300 172.217.25.110
・digコマンドの問い合わせ結果
;; ANSWER SECTION:
google.com. 300 IN A 172.217.25.110
□用語解説・ホスト:サーバー名
・タイプ:レコードの種類
・TTL:レコードの有効期間(設定内容が有効な時間を秒数で指定します)
・VALUE:サーバーのIPアドレスdigコマンドとは、DNSレコード設定の確認をするコマンドとなります。私の場合、CMANさんに頼ってばかりですけど(^^ゞ

それでは細かい設定内容について、恐らく日本で一番利用している人が多いであろうお名前.comの入力画面を使って説明してみます。

お名前.comの場合、ドメイン名と同じホストの場合はホスト名は何も入力しないでOKです。

・ホームページ:http://google.com/にアクセスする経路
  1. まずgoogle.comというホストにアクセスします
  2. 次にgoogle.comに設定されているネームサーバー:ns1.google.comにアクセスします
  3. ネームサーバー:ns1.google.com内のAレコードを参照しWebサーバーのIPアドレス:172.217.25.110にたどり着きます
  4. Webサーバー内のホームページを閲覧できます

大まかに説明すると1がスタート4がゴールということですね。

3番目の太字部分がAレコードで設定した部分です。

2番目のネームサーバー(DNSサーバー)は、3番目のDNSレコード設定をするためのサーバーということになりますね。
そのため通常レンタルサーバーを普通に利用する場合は、3番目のDNSレコード設定は自動的に設定してくれているので、私たちはDNSレコード設定を意識せずに使っているのです。

 

次にhttp://www.google.com/でも同じWebサーバーにアクセスしたい場合は、以下のようにAレコードを設定します。

・ホスト:www.google.comの場合(URL:http://www.google.com/)

ホスト タイプ TTL VALUE
www.google.com A 300 172.217.25.110
・digコマンドの問い合わせ結果
;; ANSWER SECTION:
www.google.com. 300 IN A 172.217.25.110
http://www.google.com/でアクセスするために、今回のホストはwwwとなります。
ではhttp://www.google.com/でアクセスするためにはどのように設定すればいいでしょうか?
もうお分かりですね?

・ホスト:abc.google.comの場合(URL:http://abc.google.com/)

ホスト タイプ TTL VALUE
abc.google.com A 300 172.217.25.110
・digコマンドの問い合わせ結果
;; ANSWER SECTION:
abc.google.com. 300 IN A 172.217.25.110
となります。
いわゆるURLの部分(http://やhttps://以降)がホストなので、そのホストに対してどのIPアドレスを使うか設定する、という考え方になります。
なお、Aレコードは他のレコード設定をする前に必ず設定しておく必要があります。

というのも、いくらホストを設定しても、肝心のサーバー(IPアドレス)に結びつけられなければ他のレコードが使えないからです。

□MXレコード

メールを使うために設定するレコードです。

あらかじめIPアドレスに紐づけているAレコードの設定が必要です。

ホスト:mail.google.comの場合(メールサーバーのホストがmail.google.com)
まず、以下のAレコード設定をします。

ホスト タイプ TTL VALUE
mail.google.com A 300 172.217.25.110
・digコマンドの問い合わせ結果
;; ANSWER SECTION:
mail.google.com. 300 IN A 172.217.25.110
というのも、メールサーバーもIPアドレスを割り当てて使う必要があり、IPアドレスに結びつけるためのレコード設定はAレコードになるからです。

Aレコードの設定ができたら次はMXレコードの設定を行います。

ホスト:mail.google.com、使うメールサーバーがmail.google.comの場合

ホスト タイプ TTL 優先値 VALUE
google.com MX 300 10 mail.google.com
・digコマンドの問い合わせ結果
;; ANSWER SECTION:
google.com. 300 IN MX 10 mail.google.com.
優先値とは、冗長化等で複数のMXレコードを設定する場合に、どのMXレコードを優先するか?を決めるためのものです。
通常は10を設定しますが、別に1でも2でも構いません。
10単位で設定した方が、後で10と20の間に15を入れるということもできるため、状況に応じて任意の数値を設定してください。

それではお名前.comの画面を使ってまた説明してみたいと思います。

・メールアドレス:○○@google.comにアクセスする経路
  1. まずgoogle.comというホストにアクセスします
  2. 次にgoogle.comに設定されているネームサーバー:ns1.google.comにアクセスします
  3. ネームサーバー:ns1.google.com内のMXレコードを参照しgoogle.comにアクセスし、google.comのAレコードを参照しIPアドレス:172.217.25.110にたどり着きます
  4. メールサーバー内の○○というアカウントでメール送受信を行います

2つもレコード設定があるとややこしく感じますが、ここで”Zの法則”として考えると少しわかりやすくなると思います。

 

・Zの法則

DNSレコード設定内だけのアクセス経路を考えると、ちょうどZの動きとして考えると分かりやすいと思います。

  1. まずMXレコードのホストにアクセス
  2. MXレコードのVALUE(メール用のAレコードのホスト)にアクセス
  3. Aレコードのホストにアクセス
  4. AレコードのVALUE(メールサーバーのIPアドレス)にたどり着きます。

 

同じような考え方でCNAMEレコードも理解できると思います。

□CNAMEレコード

wwwありのURLをwwwなしで表示させる、もしくは別のドメインのURLに転送させる等の設定ができます。

あらかじめIPアドレスに紐づけているAレコードの設定が必要です。

ホスト:www.google.comの場合
(URL:https://www.google.com/をhttps://google.com/に転送させる場合)
まず、以下のAレコード設定をします。

ホスト タイプ TTL VALUE
google.com A 300 172.217.25.110
・digコマンドの問い合わせ結果
;; ANSWER SECTION:
google.com. 300 IN A 172.217.25.110

Aレコードの設定ができたら次はCNAMEレコードの設定を行います。

ホスト:www.google.com、使うメールサーバーがmail.google.comの場合

ホスト タイプ TTL VALUE
www.google.com CNAME 300 google.com
・digコマンドの問い合わせ結果
;; ANSWER SECTION:
www.google.com. 300 IN CNAME google.com.

お名前.comの画面を使ってまた説明してみたいと思います。

  1. まずCNAMEレコードのホストにアクセス
  2. CNAMEレコードのVALUE(Aレコードのホスト)にアクセス
  3. Aレコードのホストにアクセス
  4. AレコードのVALUE(WebサーバーのIPアドレス)にたどり着きます。

 

ここで疑問に思う方がいるかも知れません。

『wwwありでも無しでも、どちらもAレコードで設定すればいいのでは?』

そうです、その設定でも同じように使えます。

ホスト:www.google.com、使うメールサーバーがmail.google.comの場合

ホスト タイプ TTL VALUE
www.google.com A 300 172.217.25.110
google.com A 300 172.217.25.110
ただ、この方法ですと万一WebサーバーのIPアドレスが変わった場合、wwwありとwwwなし両方のIPアドレスを変更する必要があります。
wwwありをCNAMEで設定していれば、wwwなしのAレコードのIPアドレスだけ変更すれば終わりです。
また、サービスによってはCNAMEレコードのみ対応という場合もあるので、ぜひCNAMEレコードも理解しておいてください。

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まとめ

  • DNSレコード設定の種類
  • Aレコード
  • MXレコード
  • CNAMEレコード

といった内容でした。

以前に比べるとかなり増えてきたレコード設定の種類、そしてまず押さえておきたい代表的なレコードについて説明してみました。

”Zの法則”覚えていただけました?

マニュアルの文章だけでレコード設定を理解しようとしてもなかなか難しいですが、視覚的に理解すると、MXレコードだけでうまく設定できないことも理解しやすくなりますよね?

 

今後、より具体的な設定方法や、私が対応させていただいた実案件などもご紹介できればと考えています。

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