色々誤解を生みそうなドメインとChatGPTの記事について

ドメイン一般

「ドメイン」、「偽サイト」、「ChatGPT」を、きちんと分けずに説明しているため『ミスリードをしているのでは?』という東京新聞の記事があったため取り上げさせてもらいました。

最近ドメインの投稿も少なかった、というのもありますが(^^ゞ

目次

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今回気になった記事

東京新聞のWeb版で紹介されていた以下記事となります

自治体の公式サイト、大丈夫ですか?脆弱なドメイン、ChatGPTでさらに偽造しやすく?<ニュースあなた発>:東京新聞 TOKYO Web
「自治体のウェブサイトはセキュリティが甘いのではないか。人工知能(AI)を使った対話型ソフトを使って偽サイトを作ったら、あっという間に...

発端はある大学生が”自治体のサイトはセキュリティが甘いのでは?”と、知らせてきたからだそうです。

これは当然憂慮すべき問題なので取り上げることはいいのですが、その内容に疑問を持ちました。

 

私の認識では、この記事は以下のような流れになっています。

  1. 自治体のサイトと似たドメインを簡単に取れた
  2. 少し工夫してChatGPTで偽サイトを作った
  3. 自治体は地方公共団体用のlg.jpドメインを利用すべき

 

本来3の”自治体はlg.jpドメインを利用すべき”だけ伝えればいいところ、ChatGPTが悪くなる印象も与えかねない内容になっています。

そもそも、

  1. 自治体のサイトと似たドメインを簡単に取れた
    ⇒以前から似たドメインは簡単に取れたため、今に始まった問題では無い
  2. 少し工夫してChatGPTで偽サイトを作った
    ⇒ChatGPTは、たしかに偽サイトを作りやすくなったかも知れないが、元々偽サイトは誰でも作れた。
  3. 自治体は地方公共団体用のlg.jpドメインを利用すべき
    ⇒1と同じくこちらも以前から言われていることであり、今に始まった問題では無い

と考えられ、発端となった大学生はたしかに”ドメイン取得→CahtGPTで偽サイト作成”をしましたが、それをそのままの流れで記事にしているのはどうか?と思います。

どうしてもChatGPTに触れたいのであれば、以下のように2つに分けた方がわかりやすいのでは?と。

  1. 自治体のドメイン問題
    ⇒自治体は誰もが登録できるドメインは利用しない
  2. ChatGPTによる偽サイト
    ⇒少し工夫すると作れてしまう

 

踏まえ、私なりに整理してみました。

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自治体のドメイン問題

ドメインの種類でも説明していますが、今回の記事に関連して簡単に説明するとドメインには2種類あります。

  1. 誰でも登録できるドメイン
  2. 一定条件を満たさないと登録できないドメイン

そして、今回の記事で説明している”.jpドメイン”は、簡単に説明するとそもそも”日本”という条件があります。

  • 個人:日本に住んでいるなどの条件
  • 法人:日本に常設の連絡先がある

といった条件下でないと、”.jpドメイン”は登録できないのです。

そして、”.jpドメイン”の中にもさらに種類によって条件が異なります。

  • 汎用.jpドメイン(いわゆる普通の.jpドメイン):誰もが登録できる
  • 属性型jpドメイン:法人や団体等しか登録できない

今回の”.lg.jpドメイン”は、属性型jpドメインの一部となり、さらに以下のように規定されていて、個人はおろか、一般法人や団体等も登録できません。

 

”.lg.jpドメイン”の登録規定

  1. 地方公共団体ドメイン名・・・地方自治法に定める地方公共団体のうち、普通地方公共団体、特別区、一部事務組合及び広域連合等
  2. 行政サービス用ドメイン名・・・1が行う行政サービスで、機構が認定したもの

 

引用元:https://www.j-lis.go.jp/lgwan/lgjp/cms_15040.html

 

そのため自治体は”.lg.jpドメイン”を登録すれば、少なくとも公式サイトと誰もが登録できる偽サイトの区別が、ドメイン(URL)上では付きやすくなるのでは?と説明したいのだと思います。

 

ただし、自治体がすべて”lg.jpドメイン”を利用したとしても、その先にあるDNSサーバーやWebサーバー自体を改ざんされてしまえば、結局偽サイトは作れてしまうので根本的な解決とはなりません。

また、ドメイン自体についても、汎用.jpドメインは日本に住んでいる等の条件を満たせば誰もが登録できてしまい、たとえ自治体が”lg.jpドメイン”を利用したとしても、似た文字列のドメインは登録されてしまいます。

 

とはいえ、ドメインだけでも自治体を保証することができる”.lg.jpドメインを自治体は利用すべき”という点は私も大賛成です!

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ChatGPTは偽サイトを作りやすいのか?

それではChatGPTは本当に偽サイトを作りやすいのでしょうか?

記事では”聞き方を工夫すること”とあるので、少し工夫が必要でしょうがやりやすそうですね?

とはいえ、そもそも偽サイトというのは以前からありますし、数多くのサイト作成ソフトもあるので、特別な知識が無くとも誰でも作れます。

つまり、偽サイトを防ぐことは難しいということですね。

 

ChatGPTは今まで時間がかかっていた色々なことを短時間でできてしまう、という点はたしかにあります。

しかしながら、だからといってChatGPTだけを悪者にすることはできません。

 

インターネット全般をただ利用するのではなく、利用する側がインターネット上の情報や、利用するツールやソフトを取捨選択し見極めることが大事ですよね?(^^ゞ

まとめ

・東京新聞の記事タイトル:自治体の公式サイト、大丈夫ですか?脆弱なドメイン、ChatGPTでさらに偽造しやすく?

というタイトルだけでも『?』となり、記事を読んだところ、やはり内容に問題があり取り上げさせていただきました。

 

ChatGPT絡みの記事が多く目につく最近ですが、だからといって関係無いことまで関連しているかのように見せかけるのは良くないですね?

しかも、ドメインについて詳しくは知らない人が多いので、鵜呑みにしてしまう人もいると思います。

新聞社の記事だからといって、必ずしも正しくは無いので、それこそ個人や一般法人のコンテンツと同じく見極めながら読むことが大切ですね!

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